引っ越しや模様替えを考えたとき、どの方角が良くてどの方角が悪いのか、気になっているのではないでしょうか。風水では方角によって流れるエネルギーが異なり、暮らしに大きな影響を与えると考えられています。
今回は「悪い方角」について、風水の観点から詳しく解説していきます。正しい知識を身につけることで、悪い影響を最小限に抑え、より良い運気の流れを作り出すことができるでしょう。
「悪い方角」の風水
風水において「悪い方角」と呼ばれるものは、実は固定されたものではありません。その年や個人の生まれ年によって変化する、動的なエネルギーの流れを理解することが必要です。
悪い方角として特に注意するべきポイントは次の3つです。
- 五黄殺と暗剣殺の方角
- 本命殺と本命的殺の方角
- 鬼門と裏鬼門の方角
これらの方角は、それぞれ異なる性質の悪いエネルギーを持っています。以下で詳しく見ていきましょう。
五黄殺と暗剣殺の方角
五黄殺は九星気学において最も凶作用が強いとされる方角で、その年ごとに変わります。五黄土星という災いの星が巡ってくる方角を指し、この方向に向かって引っ越しや旅行をすると、トラブルや損失を招きやすくなるのです。
暗剣殺は五黄殺の正反対に位置する方角で、文字通り「暗闇から剣で刺される」ような突発的な災難を意味します。予期せぬアクシデントや人間関係のトラブルが起こりやすく、五黄殺と同様に避けるべき方角とされています。
これらの方角は毎年変化するため、重要な決断をする前には必ず今年の五黄殺と暗剣殺がどの方角にあるのか確認することが大切です。特に引っ越しや新居の購入など、長期的に影響する決断においては慎重な判断が求められます。
本命殺と本命的殺の方角
本命殺は、あなた自身の生まれ年から算出される九星によって決まる、個人的に避けるべき方角です。この方角に向かうと、健康を損ねたり、本来の力が発揮できなくなったりする傾向があります。
本命的殺は本命殺に次いで凶作用が強い方角で、やはり生まれ年の九星から導き出されます。精神的なストレスや判断力の低下を招きやすく、特に重要な商談や面接などでこの方角に向かうのは避けたほうが良いでしょう。
これらの方角は個人によって異なるため、家族で引っ越しを考える場合には、全員の本命殺と本命的殺を確認して総合的に判断する必要があります。一人ひとりの運気を尊重しながら、最適な方角を選ぶことが家族全体の幸せにつながります。
鬼門と裏鬼門の方角
鬼門は北東の方角を指し、古くから邪気が出入りする不吉な方角とされてきました。この方角に玄関やトイレ、キッチンなどの水回りがあると、家全体の運気が下がり、住む人に悪影響を及ぼすと考えられています。
裏鬼門は鬼門の正反対、つまり南西の方角にあたります。こちらも鬼門と同様に邪気が溜まりやすく、特に健康面や家庭内の調和に悪い影響を与えやすい方角です。
鬼門と裏鬼門は他の凶方位と異なり、年や個人によって変わることのない固定的な悪い方角です。そのため住居を選ぶ際には、これらの方角に何があるかを必ず確認し、対策を講じることが求められます。
「悪い方角」に関する3つの注意点
悪い方角の影響を受けないためには、単に知識を持っているだけでは不十分です。日常生活の中で実践できる具体的な対策を理解し、実行することが必要になります。
悪い方角に関して特に気をつけるべき注意点は次の3つです。
- 悪い方角への引っ越しや移動を避ける
- 悪い方角の部屋の使い方を工夫する
- 定期的な浄化と対策を怠らない
これらの注意点を守ることで、悪い方角の影響を最小限に抑えることができます。以下で詳しく見ていきましょう。
悪い方角への引っ越しや移動を避ける
引っ越しや転職など、人生の転機となる移動の際には、必ず方角を確認してから決断しましょう。特に五黄殺、暗剣殺、本命殺の方角への移動は、運気を大きく下げる原因となります。
どうしてもその方角に移動せざるを得ない場合は、方違えという手法を使うことができます。一度別の方角に移動してから目的地に向かうことで、凶作用を和らげることが可能です。
また、短期間の旅行であっても、悪い方角への移動は慎重に検討する必要があります。特に病気療養や受験など、人生において重要な目的がある場合には、方角の選択が結果を大きく左右することもあるのです。
悪い方角の部屋の使い方を工夫する
すでに住んでいる家の悪い方角に部屋がある場合、その部屋の使い方を工夫することで影響を軽減できます。鬼門や裏鬼門の部屋は、できるだけ物置や収納スペースとして使用し、長時間過ごす場所にしないことが望ましいでしょう。
もし悪い方角の部屋を寝室や仕事部屋として使わざるを得ない場合は、ベッドやデスクの配置を工夫します。頭を良い方角に向けて眠る、デスクを吉方位に向けて配置するなど、部屋の中での位置取りを意識することが効果的です。
また、悪い方角の部屋は特に清潔に保つことが必要です。邪気は汚れや乱れた場所に集まりやすいため、こまめな掃除と整理整頓を心がけることで、悪影響を抑えることができます。
定期的な浄化と対策を怠らない
悪い方角のエネルギーは放置すると蓄積していくため、定期的な浄化が欠かせません。盛り塩を置く、観葉植物を配置する、水晶などの浄化アイテムを活用するなど、継続的な対策が効果を発揮します。
鬼門と裏鬼門には特に念入りな浄化が必要です。毎日の掃除に加えて、月に一度は香を焚いたり、音叉やベルを鳴らしたりして、空間のエネルギーをリセットすることをお勧めします。
また、悪い方角の窓はこまめに開けて換気することも忘れてはいけません。新鮮な空気を取り入れることで、淀んだ気を外に追い出し、常にエネルギーを循環させることができます。
運気について
悪い方角の影響は、金運や恋愛運、健康運など、あらゆる運気に関わってきます。方角を意識した暮らしを実践することで、各分野での運気向上が期待できるでしょう。
金運
金運を高めるためには、財布や金庫を悪い方角に置かないことが基本です。特に五黄殺や暗剣殺の方角に金銭に関わるものを置くと、予期せぬ出費や損失を招きやすくなります。
西の方角は金運と深い関わりがあるため、この方角が悪い方角に該当しない年には、西側を活用することをお勧めします。西側の部屋を綺麗に保ち、黄色やゴールドのアイテムを置くことで、金運の流れがさらに良くなるでしょう。
また、鬼門や裏鬼門に水回りがある場合、金運が流れ出てしまう傾向があります。こうした場合は、観葉植物を置いて気の流れを調整したり、明るい照明で陰の気を中和したりする対策が有効です。
恋愛運
恋愛運を上げるには、寝室の方角が特に重要になります。悪い方角に寝室があると、パートナーとの関係がギクシャクしたり、良い出会いに恵まれにくくなったりする可能性があります。
もし寝室が悪い方角にある場合は、ベッドの向きを調整することで影響を和らげることができます。頭を吉方位に向けて眠ることで、睡眠中に良いエネルギーを取り込み、恋愛運を回復させることができるでしょう。
南東の方角は恋愛運や人間関係運を司るため、この方角が悪い方角でない場合は積極的に活用します。南東の部屋にピンクやオレンジのアイテムを置いたり、花を飾ったりすることで、恋愛運がさらに高まります。
家庭運
家庭運を守るためには、家族が集まるリビングの方角に気を配る必要があります。悪い方角にリビングがあると、家族間のコミュニケーションが減ったり、些細なことで口論になったりしやすくなるのです。
鬼門や裏鬼門にリビングがある場合は、家族写真を飾ったり、暖色系のインテリアを取り入れたりして、温かい雰囲気を作ることが効果的です。陰の気を陽の気で中和することで、家族の絆を強めることができます。
また、キッチンが悪い方角にある場合は、特に火の気と水の気のバランスに注意しましょう。コンロとシンクの間に観葉植物を置いて気の流れを整えることで、家庭内の調和が保たれやすくなります。
仕事運
仕事運を高めるには、デスクや仕事部屋の方角が大きく影響します。悪い方角で仕事をしていると、集中力が続かなかったり、ミスが増えたり、努力が報われにくくなったりする傾向があるのです。
もし仕事部屋が悪い方角にある場合は、デスクを吉方位に向けて配置し直すことをお勧めします。特に北の方角は仕事運や勉強運を高める方角とされているため、北向きにデスクを置くことで集中力が増すでしょう。
また、本命殺や本命的殺の方角への出張や転勤は、できる限り避けたほうが賢明です。どうしても避けられない場合は、出発前に神社でお祓いを受けたり、移動先で浄化のアイテムを持ち歩いたりすることで、悪影響を軽減できます。
健康運
健康運を維持するためには、寝室と浴室の方角が特に重要です。悪い方角で眠ったり入浴したりしていると、疲れが取れにくくなったり、原因不明の体調不良に悩まされたりすることがあります。
鬼門や裏鬼門に浴室がある場合は、毎日の掃除を徹底し、換気を十分に行うことが必要です。湿気や汚れは邪気を呼び込むため、常に清潔で乾燥した状態を保つことで、健康運への悪影響を防ぐことができます。
また、寝室が悪い方角にある場合は、寝具を定期的に日光に当てて浄化することをお勧めします。太陽の陽のエネルギーが邪気を払い、質の良い睡眠を取りやすくなるでしょう。