季節の変わり目である土用の期間、何となく体調が優れなかったり、物事がスムーズに進まないと感じたことはありませんか。それはもしかすると、古来から言い伝えられる土用の気の影響を受けているのかもしれません。
今回は、そんな土用の期間を風水の観点から捉え、運気を整えていくための具体的な方法をお伝えします。この記事を読むことで、土用をむしろチャンスに変え、次の季節に向けて良い流れを作り出すヒントがきっと見つかるでしょう。
「土用の期間」の風水
土用とは、五行思想に基づく季節の変わり目を指し、立春・立夏・立秋・立冬の前約18日間を指します。この期間は「土」の気が乱れやすく、環境の気も不安定になるとされています。風水において重要なポイントは次の3つです。
- 土の気を鎮める
- 新しいことを始めない
- 環境の整理整頓
これらのポイントを意識して過ごすことで、土用の持つ停滞エネルギーを最小限に抑え、次の季節をスムーズに迎える準備が整います。以下で詳しく見ていきましょう。
土の気を鎮める
土用はその名の通り「土」のエネルギーが強まる時期です。しかし、このエネルギーが過剰になると、停滞や消化不良といったトラブルを招きやすくなります。風水では、この乱れた土の気を整えることが最も重要です。
具体的には、部屋の中心や家の中のどちらかといえば中央に位置するスペースを清潔に保ちましょう。この方位は土の気と深く関わっており、ここに物を積み上げたり、ゴミを放置したりするのは避けるべきです。
また、色でいえば黄色やベージュといった土を連想させる色は控えめにし、代わりに白や淡いグレー、メタリックカラーなどで空間にメリハリをつけると、過剰な土の気を中和する効果が期待できます。
新しいことを始めない
「土用に入ると事を起こすなかれ」という言葉があるように、この期間は新しいことを始めるには不向きとされています。引越し、転職、大きな買い物、新規プロジェクトの開始などは、できるだけ避けた方が無難です。
なぜなら、土用は気の流れが淀み、物事が思うように進まない傾向があるからです。せっかく始めたことでも、当初の勢いが続かず、途中で頓挫してしまうリスクが高まります。これは気のエネルギーが「蓄積」と「調整」の時期にあるためです。
代わりに、これまでやってきたことの見直しや、計画の練り直し、知識のインプットなど、内省的な活動に時間を割きましょう。次の季節に向けての準備期間と捉えることで、結果的に物事が良い方向に進みます。
環境の整理整頓
気の流れが滞りがちな土用の期間こそ、環境の整理整頓が運気アップのカギを握ります。特に、キッチンやトイレ、浴室といった水回りの掃除は念入りに行いましょう。
古いものや使わないものを処分することは、停滞した気の流れを一新するのに最も効果的です。クローゼットの中やデスクの引き出しなど、普段あまり手を付けない場所の整理もおすすめします。
掃除をする際は、窓を開けて新鮮な空気を入れながら行うことで、部屋にたまった古い気を排出できます。きれいな空間は清らかな気を呼び込み、あなたの運気の流れも自然とスムーズになるでしょう。
「土用の期間」に関する3つの注意点
土用の期間を順調に過ごすためには、風水上、特に気をつけるべきポイントがあります。この時期にやってはいけないこと、あるいは意識的に避けるべきことは次の3つです。
- 穴を掘る行為を控える
- 土いじりを避ける
- 大きな変化を求めない
これらの注意点は、乱れがちな土の気をこれ以上刺激しないためにあります。守ることで、心身の不調や運気の低下を防ぎ、安定した日々を送ることができるのです。以下で詳しく見ていきましょう。
穴を掘る行為を控える
土用の期間中は、地面に穴を掘るような行為はできるだけ控えましょう。庭仕事で土を掘り返したり、家の中で壁に穴を開けるような大掛かりなDIYは、時期をずらすことをおすすめします。
これは、静かにしているべき土の気を乱暴に動かす行為にあたるからです。土用は気が蓄えられている期間であり、それを掘り起こすことは、せっかく整いかけている気のバランスを崩すことにつながります。
どうしても必要な場合は、土用の間日と呼ばれる、土公神が天上に行き地上にいないとされる日を選ぶという昔からの知恵もあります。しかし、基本的にはこの時期は土を動かす作業全般を控えるのが得策です。
土いじりを避ける
ガーデニングが趣味の方には少し物足りない時期かもしれませんが、土用の期間中の土いじりは最小限に留めるのが賢明です。植え替えや種まきなど、植物の根を傷つける可能性のある作業は避けましょう。
土いじりもまた、土の気を直接揺さぶる行為です。この時期に無理に行うと、植物の成長が思わしくなくなるだけでなく、あなた自身の運気、特に健康運が不安定になるきっかけを作りかねません。
代わりに、水やりや剪定など、地上部の手入れに集中しましょう。または、次の季節に向けて育てたい植物の図鑑を眺めたり、庭のレイアウトを計画するなど、準備段階の作業に徹するのが良い方法です。
大きな変化を求めない
土用は「動」よりも「静」のエネルギーが優勢な時期です。そのため、生活に大きな変化を求めることは、自分自身の気を消耗させる原因になります。新しい習慣を始めたり、生活リズムを劇的に変えようとするのは負担が大きいでしょう。
例えば、急に早起きを始めたり、ハードなダイエットに挑戦するなど、自分を大きく律する行動はストレスとなり、結果的に長続きしません。この時期は、現状を維持し、心身を労わることを最優先に考えてください。
変化を求めるのであれば、それは内面に向けましょう。瞑想や軽いストレッチ、読書など、心を落ち着かせて自分自身と向き合う時間を持つことが、結果的には土用明けからの飛躍的な成長を支える土台を作ります。
運気について
土用の期間は、一見すると運気が停滞しているように感じられるかもしれません。しかし、この時期を整えと調整の期間と捉え、適切な風水の工夫を取り入れることで、かえって各種の運気を底上げする好機とすることが可能です。
金運
土用の期間は、金運を強化するには絶好のタイミングです。というのも、五行において「土」は「金」を生み出す母なる元素だからです。乱れた土の気を整えることは、すなわち金運の源を整えることにつながります。
具体的には、家の中心部や北西の方角を清潔に保ち、金属製のインテリア小物を置いてみましょう。例えば、シンプルな金属のボウルや風鈴などが効果的です。これらは乱れた土の気を鎮め、健全な金運を育てます。
また、この時期は財布の中や通帳の残高確認など、お金の管理を見直すのにも適しています。新しい収入源を探すよりも、今ある資産をどう育てるかに集中することで、土用明けに金運が好転するきっかけが生まれます。
恋愛運
土用の気の停滞は、恋愛運にも影響を及ぼすことがあります。既存の関係にわだかまりを感じたり、新しい出会いがなかなか訪れないと感じるのは、この時期にはよくあることです。
恋愛運を上げるためには、寝室の環境を整えることが第一です。ベッドの下は常にすっきりとさせ、シーツは清潔なものに交換しましょう。特にピンクや白のアイテムを足すと、優しい気を呼び込みます。
大切なことは、焦らないことです。この時期は人間関係を見つめ直し、自分自身を磨く期間と捉えましょう。自分自身が輝くことを心がければ、土用が明けた頃に、自然と良いご縁が引き寄せられていくでしょう。
家庭運
家庭運は、文字通り「土台」を司る運気です。土用はこの家庭運と深く関わりのある時期であり、家族関係や住まいの気を整えることで、安定した基盤を作ることができます。
リビングやダイニングといった家族が集まる空間に、丸い形のものや溫かい光を放つ間接照明をプラスしてみてください。これらは気の流れを穏やかにし、家族の絆を深める効果があります。
また、家族と過ごす時間を大切にし、会話を増やすことも立派な風水術です。特に食卓を囲む時間は、家の中に良い気を循環させる最も簡単で効果的な方法のひとつと言えるでしょう。
仕事運
仕事運において、土用の期間は「準備と調整」がキーワードになります。新しいプロジェクトを立ち上げるよりも、現在進行中の仕事の質を高め、スキルを磨くことに集中しましょう。
デスク周りの風水を整えることは、仕事運アップに直結します。机の上は常に整理整頓し、特にパソコンの左側に背の高い観葉植物を置くことで、仕事上の発展運をサポートします。
この時期は評価や結果を急ぎすぎないことです。地味な作業の積み重ねが、土用明けになってから花開くことがよくあります。コツコツと努力を重ねる姿勢そのものが、将来の仕事運を強固なものにしていくのです。
健康運
土用の期間は、特に胃腸をはじめとした消化器系が影響を受けやすくなります。食欲不振や消化不良を感じたら、それは土の気の乱れが体に現れているサインかもしれません。
健康運を守るためには、規則正しい生活とバランスの取れた食事が何よりも重要です。食事では、特に地中で育つ根菜類を積極的に取り入れると、体の中心から気を整える助けになります。
また、アロマテラピーも効果的です。特にジンジャーやパチュリなどの精油は、土の気を落ち着かせ、心身を安定させる作用があります。休息時間にこれらの香りを取り入れて、心と体のメンテナンスを心がけましょう。
